映画|「幸福は日々の中に。」
2017年8月26(土)、27日(日)、31日(木)上映!
■作品紹介
園生が楽器を弾き、叩き、叫ぶotto&orabu、ひたすら布と糸と遊ぶnui project、そして魅力に溢れた多様なクラフトワーク。美しい園内には、アトリエに加えて、カフェレストラン、ベーカリー、蕎麦屋が点在し、今日も園外からのお客様が引きも切らない。ここには、これまで私たちが見たことがない風景が広がっている。2014夏に開催された東京都美術館の展示における衝撃はいまだ記憶に新しい、鹿児島しょうぶ学園。きれい事ではすまされない福祉事業の運営において、しょうぶ学園が取り組んできた活動は、今を生きる私たちにさまざまな問いを投げ掛ける。普通ってなに?優しさってなに?90年代に伝説となったインディペンデント映画『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』を制作したドイツ人映像作家ヴェルナー・ペンツェルと、『島の色静かな声』(08)を制作し、写真家でもある茂木綾子による共同監督作品。
■ストーリー
鹿児島マルヤガーデンズの屋上で、知的障がい者施設しょうぶ学園のバンド「otto & orabu」の演奏を見た瞬間、この人たちの映画を撮りたいと思った。
20人以上の怪しげで派手な衣装とメイクを塗った人々は、障がい者とその施設の従業員の混合の楽団だった。ザワザワと潜在意識に強く響いてくる、不揃いで不可解、でも楽しげで爆発するような音楽は、雨降る屋上のじめじめした空気を吹き飛ばすかのように、大きな疑問符を見る者の心に投げかけていった。
それ以来二人は鹿児島へ何度も通い、しょうぶ学園の世界の中に少しずつ融け込み、カメラを回し続けた。外から訪ねる人の目線ではなく、障がいを持つ彼らのあたり前の目線を見つめながら。
中庭で、来る日も来る日も一本の木の側で、しゃがみこんでどこかを見つめ続けるたけしくん。カメラをひたすら向け続けても全く気にしない。気持ちのいいカフェテリアでごはんを食べる様子も、皆人それぞれ。誰も自分を人と比べるということがない。刺繍工房で糸と布と戯れ部屋中を埋め尽くす吉本さん。彼には目的もゴールもない。ただただ永遠の今の中で、布を小さく切り取り、糸を並べて、満ち足りている。紙の上から椅子から机から、床も壁もペンキで四角い升目を描き続ける濱田さんもまた、何年も同じスタイルで毎日毎日升目を描き、その迷いの無い筆さばきは完璧な巨匠のそれだ。木工所では、みんなトンカントンカン好きなように掘って掘って掘りまくり、ニコニコ顔の中野くんはボタンの詰まった箱を来る日も来る日もぐるぐる回し続ける。
そんなしょうぶ学園を生み出し、守り支え続けてきた福森家の人々。現在の学園長福森伸さんは、長年彼らに寄り添いながら、常に自分自身のあり方に疑問を抱き続けてきた。
「僕たちは、彼らに社会の秩序というものを教える立場ではない。彼らから精神的な秩序を学ぶべきだ。やらなければならないことは、彼らが安全に歩ける道をつくることである」と言う。
私たちがどんなにがんばっても辿り着けない、真の自由と幸福に、彼らはいる。そのままいる、永遠の今の中で。このしょうぶ学園にいると、まるで未来の世界にいるかのような錯覚に襲われるのは、ここが、私たちがいつか辿り着きたい永遠のふるさとであり、あの不思議な音楽と共にキラキラとその姿を惜しみなく見せてくれるからなのだろう。
■予告編
■コメント
ミナ ペルホネン 皆川明 芸術という行為は、心の奥底で震えている命の鼓動の発散なのだと思う。その鼓動を心から外に出すためには、心の摩擦がないとても純粋な心の通り道が必要な気がする。otto&orabuを初めて体感した時、僕はそんなことを感じた。日頃の彼らは穏やかな佇まいであり、他者へも自己へも優しく素直な目を向けている。彼らと接していると、内側にある心と常に対峙し、観察して、そこに沸く感情と向き合っているのが伝わってくる。演奏というアウトプットする瞬間に、その心との対話が解放され、喜びの感情とともにエネルギーとして放出されるのだろう。それを私達は同じく心で受け止め、感情が共振し、感動しているのだ。
シンガー/ボイスアーティスト おおたか静流 こんなふうに暮らしたい、表現したい、沢山の「あぁ、本当は・・・」のスイッチをONにしている居場所=しょうぶ学園。たまらなく好きです!この映画には、ONの囁きが散りばめられています。大好きです!
音楽家/映像作家 高木正勝 僕たちは、人という生きものが持っている力を、あまりうまく使えていないのではないだろうか?しょうぶ学園の皆さんと出会う度にそう思います。この映画を観ているうちに、皆さんが野生の生きもののように思えてきて、とても羨ましくなりました。その野生は、僕たちが日々、このこんがらがった社会で生きていくなかで、少しずつ少しずつ抑えてきた、僕たちの魂の衝動で。それは、とても素直な憧れで、ああ、わたしが笑いたいようにわたしを笑わせてあげたい(顔をほころばして)、躰が動きたいようにわたしを動かせてあげたい(コントロールするのを諦めて)、わたしが優しくしたいようにさせてあげたい(心やすく)、どんなに楽しい毎日だろう。
学園長 福森伸 「普通」という曖昧な海を泳いでいるみんなへ。僕たちは、彼らに社会の秩序というものを教える立場ではない。彼らから精神的な秩序を学ぶべきだ。
■作品情報
映画『幸福は日々の中に。』公式サイト:
http://silentvoice.jp/whilewekissthesky/
監督・脚本・撮影:茂木綾子、ヴェルナー・ペンツェル
録音:ウエヤマトモコ、茂木綾子
編集:茂木綾子、フリッツ・バウマン
音楽:福森伸、フレッド・フリス(タイトル音楽)
演奏:otto&orabu、フレッド・フリス(タイトル音楽)
制作:silent voice、werner penzel film production
プロデューサー:相澤久美、芹沢高志、ヴェルナー・ペンツェル
配給:silent voice
宣伝:佐々木瑠郁
助成:文化庁文化芸術振興費補助金、日本財団
2015年|日本|カラー|73分|16:9|HD
(c)silent voice、werner penzel film production
■上映日時・予約状況(8月31日 10時現在)
2017年8月26日(土)
10:00 – 11:20 △
13:30 – 14:50 〇
16:30 – 17:50 〇
19:00 – 20:20 △
2017年8月27日(日)
10:00 – 11:20 〇
13:30 – 14:50 〇
16:30 – 17:50 △
19:00 – 20:20 〇
2017年8月31日(木)
10:00 – 11:20 ✕
13:30 – 14:50 〇 ※子連れママさん限定
16:30 – 17:50 〇
19:00 – 20:20 ✕
〇 空きあり
△ もう少し
✕ 空きなし
■定員
12名
※子連れママさん限定上映は5組
■料金
・一般1500円、学生1000円
・子連れママさん限定上映1000円
■予約方法
・電話の場合
下記の電話番号宛てにご連絡をいただき、「映画観覧希望の旨」「希望日時」「氏名」「予約人数」をお伝えください。その場でご予約が完了致します。
・メールの場合
下記のメールアドレス宛てに、件名に「幸福は日々の中に。」、本文に「希望日時」「氏名」「電話番号」「予約人数」を記入いただき、送信ください。赤石商店からの返信をもって予約受付完了とさせていただきます。
■ご予約・お問い合わせ
電話 0265-96-0370
メール akaishi.shouten@gmail.com
■注意事項
※定員に限りがあるため、日時がお決まりの方はお早めにご予約ください。
※入場は予約者優先とさせていただき、席に空きがある場合のみ当日入場が可能となります。
※ご近所様の迷惑にならないよう、会場付近での私語は極力お控えください。
※余裕を持って上映を開始したいため、上映時間の10分前にはお越しいただくようお願い致します。
※学生の場合は学生証の提示をお願いする場合がございます。
※子連れママさん限定上映では、男性の入場はご遠慮ください。
※子連れママさん限定上映は、「場内の照明は通常より明るめに」「音量は通常より小さめに」「お席での授乳OK」「離乳食持ち込みOK」です。岡谷スカラ座のママシアターを参考にさせていただいております。
園生が楽器を弾き、叩き、叫ぶotto&orabu、ひたすら布と糸と遊ぶnui project、そして魅力に溢れた多様なクラフトワーク。美しい園内には、アトリエに加えて、カフェレストラン、ベーカリー、蕎麦屋が点在し、今日も園外からのお客様が引きも切らない。ここには、これまで私たちが見たことがない風景が広がっている。2014夏に開催された東京都美術館の展示における衝撃はいまだ記憶に新しい、鹿児島しょうぶ学園。きれい事ではすまされない福祉事業の運営において、しょうぶ学園が取り組んできた活動は、今を生きる私たちにさまざまな問いを投げ掛ける。普通ってなに?優しさってなに?90年代に伝説となったインディペンデント映画『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』を制作したドイツ人映像作家ヴェルナー・ペンツェルと、『島の色静かな声』(08)を制作し、写真家でもある茂木綾子による共同監督作品。
■ストーリー
鹿児島マルヤガーデンズの屋上で、知的障がい者施設しょうぶ学園のバンド「otto & orabu」の演奏を見た瞬間、この人たちの映画を撮りたいと思った。
20人以上の怪しげで派手な衣装とメイクを塗った人々は、障がい者とその施設の従業員の混合の楽団だった。ザワザワと潜在意識に強く響いてくる、不揃いで不可解、でも楽しげで爆発するような音楽は、雨降る屋上のじめじめした空気を吹き飛ばすかのように、大きな疑問符を見る者の心に投げかけていった。
それ以来二人は鹿児島へ何度も通い、しょうぶ学園の世界の中に少しずつ融け込み、カメラを回し続けた。外から訪ねる人の目線ではなく、障がいを持つ彼らのあたり前の目線を見つめながら。
中庭で、来る日も来る日も一本の木の側で、しゃがみこんでどこかを見つめ続けるたけしくん。カメラをひたすら向け続けても全く気にしない。気持ちのいいカフェテリアでごはんを食べる様子も、皆人それぞれ。誰も自分を人と比べるということがない。刺繍工房で糸と布と戯れ部屋中を埋め尽くす吉本さん。彼には目的もゴールもない。ただただ永遠の今の中で、布を小さく切り取り、糸を並べて、満ち足りている。紙の上から椅子から机から、床も壁もペンキで四角い升目を描き続ける濱田さんもまた、何年も同じスタイルで毎日毎日升目を描き、その迷いの無い筆さばきは完璧な巨匠のそれだ。木工所では、みんなトンカントンカン好きなように掘って掘って掘りまくり、ニコニコ顔の中野くんはボタンの詰まった箱を来る日も来る日もぐるぐる回し続ける。
そんなしょうぶ学園を生み出し、守り支え続けてきた福森家の人々。現在の学園長福森伸さんは、長年彼らに寄り添いながら、常に自分自身のあり方に疑問を抱き続けてきた。
「僕たちは、彼らに社会の秩序というものを教える立場ではない。彼らから精神的な秩序を学ぶべきだ。やらなければならないことは、彼らが安全に歩ける道をつくることである」と言う。
私たちがどんなにがんばっても辿り着けない、真の自由と幸福に、彼らはいる。そのままいる、永遠の今の中で。このしょうぶ学園にいると、まるで未来の世界にいるかのような錯覚に襲われるのは、ここが、私たちがいつか辿り着きたい永遠のふるさとであり、あの不思議な音楽と共にキラキラとその姿を惜しみなく見せてくれるからなのだろう。
■予告編
■コメント
ミナ ペルホネン 皆川明 芸術という行為は、心の奥底で震えている命の鼓動の発散なのだと思う。その鼓動を心から外に出すためには、心の摩擦がないとても純粋な心の通り道が必要な気がする。otto&orabuを初めて体感した時、僕はそんなことを感じた。日頃の彼らは穏やかな佇まいであり、他者へも自己へも優しく素直な目を向けている。彼らと接していると、内側にある心と常に対峙し、観察して、そこに沸く感情と向き合っているのが伝わってくる。演奏というアウトプットする瞬間に、その心との対話が解放され、喜びの感情とともにエネルギーとして放出されるのだろう。それを私達は同じく心で受け止め、感情が共振し、感動しているのだ。
シンガー/ボイスアーティスト おおたか静流 こんなふうに暮らしたい、表現したい、沢山の「あぁ、本当は・・・」のスイッチをONにしている居場所=しょうぶ学園。たまらなく好きです!この映画には、ONの囁きが散りばめられています。大好きです!
音楽家/映像作家 高木正勝 僕たちは、人という生きものが持っている力を、あまりうまく使えていないのではないだろうか?しょうぶ学園の皆さんと出会う度にそう思います。この映画を観ているうちに、皆さんが野生の生きもののように思えてきて、とても羨ましくなりました。その野生は、僕たちが日々、このこんがらがった社会で生きていくなかで、少しずつ少しずつ抑えてきた、僕たちの魂の衝動で。それは、とても素直な憧れで、ああ、わたしが笑いたいようにわたしを笑わせてあげたい(顔をほころばして)、躰が動きたいようにわたしを動かせてあげたい(コントロールするのを諦めて)、わたしが優しくしたいようにさせてあげたい(心やすく)、どんなに楽しい毎日だろう。
学園長 福森伸 「普通」という曖昧な海を泳いでいるみんなへ。僕たちは、彼らに社会の秩序というものを教える立場ではない。彼らから精神的な秩序を学ぶべきだ。
■作品情報
映画『幸福は日々の中に。』公式サイト:
http://silentvoice.jp/whilewekissthesky/
監督・脚本・撮影:茂木綾子、ヴェルナー・ペンツェル
録音:ウエヤマトモコ、茂木綾子
編集:茂木綾子、フリッツ・バウマン
音楽:福森伸、フレッド・フリス(タイトル音楽)
演奏:otto&orabu、フレッド・フリス(タイトル音楽)
制作:silent voice、werner penzel film production
プロデューサー:相澤久美、芹沢高志、ヴェルナー・ペンツェル
配給:silent voice
宣伝:佐々木瑠郁
助成:文化庁文化芸術振興費補助金、日本財団
2015年|日本|カラー|73分|16:9|HD
(c)silent voice、werner penzel film production
■上映日時・予約状況(8月31日 10時現在)
2017年8月26日(土)
10:00 – 11:20 △
13:30 – 14:50 〇
16:30 – 17:50 〇
19:00 – 20:20 △
2017年8月27日(日)
10:00 – 11:20 〇
13:30 – 14:50 〇
16:30 – 17:50 △
19:00 – 20:20 〇
2017年8月31日(木)
10:00 – 11:20 ✕
13:30 – 14:50 〇 ※子連れママさん限定
16:30 – 17:50 〇
19:00 – 20:20 ✕
〇 空きあり
△ もう少し
✕ 空きなし
■定員
12名
※子連れママさん限定上映は5組
■料金
・一般1500円、学生1000円
・子連れママさん限定上映1000円
■予約方法
・電話の場合
下記の電話番号宛てにご連絡をいただき、「映画観覧希望の旨」「希望日時」「氏名」「予約人数」をお伝えください。その場でご予約が完了致します。
・メールの場合
下記のメールアドレス宛てに、件名に「幸福は日々の中に。」、本文に「希望日時」「氏名」「電話番号」「予約人数」を記入いただき、送信ください。赤石商店からの返信をもって予約受付完了とさせていただきます。
■ご予約・お問い合わせ
電話 0265-96-0370
メール akaishi.shouten@gmail.com
■注意事項
※定員に限りがあるため、日時がお決まりの方はお早めにご予約ください。
※入場は予約者優先とさせていただき、席に空きがある場合のみ当日入場が可能となります。
※ご近所様の迷惑にならないよう、会場付近での私語は極力お控えください。
※余裕を持って上映を開始したいため、上映時間の10分前にはお越しいただくようお願い致します。
※学生の場合は学生証の提示をお願いする場合がございます。
※子連れママさん限定上映では、男性の入場はご遠慮ください。
※子連れママさん限定上映は、「場内の照明は通常より明るめに」「音量は通常より小さめに」「お席での授乳OK」「離乳食持ち込みOK」です。岡谷スカラ座のママシアターを参考にさせていただいております。